●健康のための消費が増加する現代
近年、健康という問題は、人々にとってますます大きな関心事になっています。
食事や運動、サプリメントの摂取から趣味まで、「健康」を意識した行動(健康行動)はさまざま。
そして、健康に関する商品・サービスがどんどん開発され、莫大なコストをかけて消費されていきます。
●人々が求める「健康」ってなんだろう?
・過剰なダイエット
・テレビで「健康に良い」とされた商品がスーパーの棚から消える
・「トクホ」飲料を飲んで暴飲暴食 …など
なぜこんな現象が起こるのでしょうか?
このような現象を見ると、
消費者は本当に自分の「健康」に必要な商品・サービスを利用できているの?
商品・サービスを提供する側は顧客の求める「健康」を理解できているの?
といった疑問が生まれます。
●『健康行動』を解明するための新たなアプローチ
人は必ずしも「医学的に正しい」行動をしているわけではありません。
人の行動は、周囲の人やマスコミなどの環境要因や、本人の「健康」の捉え方などの心理的要因によって、本人も認識していないうちに影響を受けています。
そこで、人々の『健康行動』がなぜ、どのように起こっているのかを心理的・社会的要因から明らかにする「社会心理学的アプローチ」が有用です。
●今春開始!『健康行動』を解明する新たなプロジェクト
2006年より、大学研究者やシンクタンクらによって発足した『IB研究会(※)』によって、「健康」「病気」について社会心理学的アプローチでの知見が蓄積されてきました。
そして2015年春より、社会心理学的アプローチを用いて『健康行動』を解明する、新規プロジェクトが立ち上がります。
このプロジェクトでは、これまでに蓄積された知見に基づく大規模調査を行い、その結果を健康に関わる多様な業界の人々と共有・議論します。
1.どのような『健康行動』が取られているのか、『健康行動』の実施パターン
2.『健康行動』を取ることには、どのような意図があるのか
3.『健康行動』をする人としない人の違い
などを明らかにすることで、その成果を活用し、皆様とともに新たな発想を生み出すことを目指します。
※病気関連行動(Illness Behavior)研究会とは…
体の不調や病気への対処行動について社会心理学的アプローチによって調査・研究を行うグループ。2006年、健康や医療に関して関心のある大学の研究者・シンクタンク・学生などが集い、発足。
1.考え方と成果
◆「社会心理学的アプローチ」とは?
人の行動を心理的・社会的要因から説明することで、次のようなことが可能になります。
*人が何を求め、何に影響されるのかを検討する
⇒「このような人に、このような働きかけをすれば、行動がこう変化する」と予想できる
*本人の認識を超えた部分まで検討できる
⇒普通のアンケートでは現れてこなかった、潜在的なニーズが見えてくる
これまでに『IB研究会』が行ってきた「不調時の対処行動」の研究など、これまでに得られたデータや明らかになった知見をご紹介しながら、「社会心理学的アプローチ」の考え方や成果についてご説明します。
2.具体的な活用事例
◆社会心理学的アプローチは実際にどのように活用されているのか?
私たちの提案するアプローチは、実用的な研究知見です。既にさまざまな領域で、人々の行動の理由を明らかにし、より良い行動を促す方策へとつながっています。
ここでは、大手製薬会社における”薬だけではない新たな患者サポート”のための活用事例をご紹介いたします。
3.『健康行動』を解明する具体的な取り組み
◆『健康行動』を理解するための新たなプロジェクトとは?
社会心理学的アプローチを用いた『健康行動』研究の成果を広く活用していただくために、 『健康行動』研究会プロジェクトを発足いたします。
このプロジェクトでは、『健康行動』に関心をお持ちの企業の皆様と意見交換をしながら、大規模な「共同調査」を行います。
セミナーでは、以下の点に関して、プロジェクトの詳細をご説明いたします。
A. 『健康行動』を解明する「社会心理学的アプローチ」の全体像
B. 研究会の概要・大規模共同調査の内容・活用イメージ
4.特別企画:株式会社マクロミルケアネット 設立のご紹介
2015年1月、㈱マクロミルのメディカル部門と㈱ケアネットのリサーチ部門を統合し、医療関連専門のリサーチ会社として設立された㈱マクロミルケアネット。
医療関連調査の重要性の増す現代において、マクロミルケアネットがどのような特長とシステムによって幅広いご相談への対応を実現するか、ご紹介します。
講師プロフィール
(株)応用社会心理学研究所 取締役CI事業部長兼 調査研究プロデューサー
八木 秀泰(やぎ ひでひろ)
(社)日本マーケティング協会マスターコース講師
大阪府立大学 工学部 非常勤講師
その他、 文部科学省 成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業「実践的職業教育を推進する産官学による連携基盤の構築」プロジェクト運営委員 をはじめ、キャリア教育関連事業の委員職を多数兼任。
大学在学中に創業メンバーの一人として、(株)応用社会心理学研究所を設立。(株)リクルートを経て、(株)応用社会心理学研究所に入社後、20年以上に亘り大手企業のマーケティングやブランディングなどに多数関わる。
2006年、“病気関連行動”研究会を立ち上げる。以降、医学ではなく人々の考え方や置かれている環境といった視点から、社会の「健康」「病気」に関して検討してきた。
著書に『病気関連行動に関する研究報告書―不調時における対処行動の実態及び行動を規定する要因についての考察―』『高校生から見た大学の「価値」と大学選びのメカニズム』(共著)。
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