2016 “健康行動”研究会

1.2016 “健康行動”研究会概要

2.研究会実施報告

3.お問い合わせ


1.2016 “健康行動”研究会概要

2016 “健康行動”研究会について

2015年春に発足した健康行動研究会は、2016年第2期を迎えました。

『人々の考える「健康」を理解する』ことを目指した第1期の活動は、健康行動全体を広く総合的に理解することにつながりました。改めて現代の人々の考える「健康」が多様であること、現在世にあふれる様々な健康行動を、人々がどのように捉えているのか、どのような人々がどのような健康商品・サービスを求めているのかを示す知見を得ることができました。


そして第2期は、さらに発展的に、

  • 行動を「食事」の領域に絞ったり、「シニア」に限定したりなど、議論の対象を狭める
  • 第1期で発見された「生命力信念」「健康第一主義」などの重要な概念について、より理解していく
  • 調査では扱ったものの、第1期では議論のメインテーマとしなかった、積み残しのデータの検討 …など
という方針で、より具体的にイメージしやすいテーマで理解を深めるとともに、より社会に活用できる知見を得ることを目指して活動していきます。

※ "健康行動"研究会とは…
これからの健康を考え、人々の健康のために本当に必要なことを考えるためには、まず人々の考える「健康」を理解することが必要なのではないか。 そのような思いから、様々な業界の企業が集まり、人の心の仕組みを踏まえた総合的な調査を共同で行うことを通して、多様な視点から「健康」を考えていく研究会です。


第2期 研究会メンバー企業:12社(20160726 現在)

■正会員7社
  • 株式会社 応用社会心理学研究所
  • 株式会社 学研イノベーション
  • キューサイ株式会社
  • コカ・コーラウエスト株式会社
  • 宝ヘルスケア株式会社
  • 株式会社 ミルボン
  • 株式会社 読売広告社
■オブザーバー会員1社

■モニター会員4社


スケジュール

■全体

2016年6月~2017年2月頃

■研究会スケジュール

第1回研究会:2016年6月23日(大阪)で開催
第2回研究会:2016年7月21日(東京)で開催
第3回研究会:2016年9月7日(大阪)で開催
第4回研究会:2016年10月27日(東京)で開催
第5回研究会:2016年12月8日(京都)で開催
第6回研究会:2017年1月25日(大阪)で開催

研究会実施報告

第1回研究会
■日時:6月22日(木)14時~17時30分
■会場:グランキューブ大阪(大阪国際会議場)会議室
■プログラム:
 開会
 ・メンバー紹介、本日のプログラム紹介
 ・2015年度研究会のまとめと2016年度研究会の方針説明

 プログラム①
 「健康第一主義」の特徴
 ・「健康第一主義」の定義
 ・「健康第一主義」の特徴

 プログラム②
 「健康第一主義群」はなぜ「健康行動」をよく行うのか?
 ・データの見方、グループワークの説明
 ・グループワーク(前半)
 「健康第一主義群」が持つ、特徴的な考え方や環境を捉える

 休憩

 ・グループワーク(後半)
 「健康第一主義群」の特徴をヒントに、新しい商品・サービス・
 消費者コミュニケーションのコンセプトを提案する

 休憩

 まとめ~総合ディスカッション
 ・「健康第一主義群」をもっと理解するためのアイディア
 ・総合討論

 次回日程と次回テーマの予告
 ・今後のスケジュール、アンケート記入

 18時~
 懇親会

2015年度 第1期”健康行動”研究会では、約5000サンプルの回答を得た共同調査の結果に基づき、「健康行動」の実態・健康に関する思いや考え方など、人々の心理的側面について全体像を議論してきました。

2016年度 第2期研究会では個別具体的にイメージできるテーマで議論の時間を増やし、「健康」への理解を深めることを目的としています。第1回の今回は、8企業14名の参加者が集まりました。
データが指し示す内容に関する考察や、グループワークの時間を十分取ったことにより、第1期に増して、参加者の経験や発想を活かして議論が盛り上がりました。また、データから得られた知見をどう実際の業務に実践していくか、ということに関して深く考える機会になったようでした。
参加者の感想(一部)
  • (健康行動を)行動に移すときのハードルを取り払うために、(心理的な)行動の促進要因を足せばよい(という視点)は新しい気づきだった。
  • 健康意識の高さと社会的、経済的余裕が関係しているのでは、新しい発見でした。
  • 次回の生命力信念のグループと今回の健康第一主義グループとの差や、リンクしている部分を知りたい。

研究会の様子1 研究会の様子2
研究会の様子3 研究会の様子4


研究会終了後には懇親会が行われました。第1期から継続の研究会とはいうものの、実は今回は初参加のメンバーも多かったのですが、初めましてとは思えないほど打ち解けた会となりました。研究会をどう活用していくかというアイディアの共有の場としても機能すると楽しいですね!

懇親会の様子1

第2回研究会
■日時:7月21日(木)13時~17時30分
■会場:東京都内会議室
■プログラム:
 開会
 ・メンバー紹介、本日のプログラム紹介
 ・前回のおさらい「健康第一主義」
 ・本日のテーマ、目的

 プログラム①~③
 「生命力信念」の指標、重要性
 「生命力信念」はどのような人が持っているのか
 「生命力信念」はどんな考え方か
  ・グループワーク(前半)

 休憩

 プログラム④
 「生命力信念」はどんな行動に影響するか
  ・グループワーク(後半)

 発表

 休憩
 さらなる分析の提案/振り返りシートの記入

 まとめ~総合ディスカッション

 次回日程と次回テーマの予告
 ・今後のスケジュール、アンケート記入

 18時~
 懇親会

2016年度 第2期研究会も第2回を迎えました。
「個別具体的にイメージできるテーマ」を掲げている第2期研究会の中でも、比較的抽象的なテーマを扱っている第1回と第2回。しかし、これこそがこれまで漠然としていた人々の「健康」に対する考え方を数値で把握できる重要な概念です。会の最初の皆様のコメントからも、「生命力信念」というテーマに対する関心の高さがうかがえました。

あいにくの夏の雨ではありましたが、7企業13名、健康心理学の研究者1名の参加者が集まった部屋の中は、いろんな議論がやりとりされ、雨のじめじめさとは無縁の空間。第1回のテーマ「健康第一主義」とはまた違う「生命力信念」に対して、様々な角度からコメントが出る様子が印象的でした。

実はこの考え方はなかなか単純なものではなく、研究知見の応用を考える企業の皆さんも、
「商品戦略を考えるのにとても重要だけど、アプローチが難しい!」
「いや、むしろこういう考え方がある人のほうがマーケティング的にうれしいかも」
といった一幕も。
「このテーマを、もっと議論したい!」という声がたくさん聞こえてきました。
参加者の感想(一部)
  • 1つのテーマで深堀りでき、より理解が進み良かったです。
  • 生命力信念の人をターゲットと想定しながら、自社のアプローチ、コミュニケーション方法が間違っていたような気がし始めました。

研究会の様子1 研究会の様子2
研究会の様子3 研究会の様子4
第3回研究会
■日時:9月7日(水)13時~17時30分
■会場:追手門学院 大阪梅田サテライト

研究会の様子1 研究会の様子2
今回の会場は、梅田の観覧車や電車の発着が間近に見える
素晴らしいロケーションでした!

■プログラム:
 開会
 ・健康行動研究会プロジェクトについて
 ・会場提供者からのご案内(追手門学院大学 金川 智惠教授より)
 ・前回のおさらい「生命力信念」
 ・本日のテーマ、目的

 プログラム①
 ・シニアの特徴を知る

 プログラム②
 ・シニアの特徴を生み出す背景とは?

 休憩

 プログラム③
 ・シニアをタイプ分類する
 ・グループワーク

 休憩

 まとめ~総合ディスカッション

 次回日程と次回テーマの予告
 ・今後のスケジュール、アンケート記入

 18時~
 懇親会

9月7日(水)、残暑の中、2016年度 第2期研究会第3回が開催されました。
第3回のテーマは「シニア」。最近では、「シニア」が何歳からなのかわからなくなるほど、年を取っても元気な方が増えています。ですが、研究会が実施した共同調査のデータは20代~60代だったため、この回は「60代」の分析から「シニア」について示唆を得ることにしました。

7企業13名、社会心理学の研究者1名が参加しましたが、その中には、普段から「シニア」をカスタマーとして事業に取り組んでいらっしゃる方、むしろ「シニア」からのニーズをどのように高めるか検討されている方、普段はそのような問題関心とは離れた事業をされている方まで、幅広い立場の方が含まれ、多様な議論につながりました。

議論の最後には、「シニアは自分が思っていたよりも元気」など、これまで理解していた「シニア観(=シニアのイメージ)」から脱却したり、「シニアを年代以外の要因で理解することの重要さ」に気づかれた方が多くいらっしゃったようでした。
参加者の感想(一部)
  • シニアはひとくくりでまとめるのは危ないと改めて感じることができました。
  • 重回帰分析を使うことで直接的要因と思われていることが別の要因であること。

研究会の様子1 研究会の様子2
研究会の様子3


研究会終了後の懇親会は、水都大阪の川沿いのBARで、夕闇に光る川を臨みながら。
年代の話をしたせいか、「若者」とのコミュニケーションの話も出ていました。年代の違いにどんな要因があるか整理した第3回の議論を振り返ると、「健康」以外にも、実生活のいろんな面との関連が見えたのではないでしょうか。

懇親会の様子1 懇親会の様子2

第4回研究会
■日時:10月27日(木)13時~17時30分
■会場:東京都内会議室
■プログラム:
 開会
 ・メンバー紹介、本日のプログラム紹介
 ・前回のおさらい「シニア」
 ・本日のテーマ、目的

 プログラム①
 現代のメディア動向

 プログラム②
 健康行動共同調査から見るメディア
 ・メディア利用の実態
 ・健康情報への態度
 ・ディスカッションワーク

 休憩

 プログラム③
 メディア利用パタン
 ・健康情報取得メディアパタン
 ・普段活用メディアパタン
 ・グループワーク

 休憩

 まとめ~総合ディスカッション

 次回日程と次回テーマの予告
 ・今後のスケジュール、アンケート記入

 18時~
 懇親会

木々も色づき始めた10月末、2016年度 第2期研究会第4回が開催されました。
第4回のテーマは「メディア」。
「メディア」は、消費者とのコミュニケーションにおける重要なツールであるだけでなく、その影響力によって社会全体の考え方を醸成する力を持つとも言われます。「健康」問題を考える際にも、メディアがどのように影響を与えているかを理解し、その活用の仕方を考えていくことには大きな意義があります。

当日は8企業14名、研究者1名が参加し、「メディア」を使った発信側としての経験や知見、「メディア」の利用者としての感覚、そして「健康行動研究会」の客観的なデータ、この3つを組み合わせて複合的な議論ができました。

メディアを「テレビ」「ウェブ」といった単体で理解するだけでなく、それらを組み合わせて用いている「人」の特徴を理解する分析やワークを行いましたが、思った以上にメディアの使い方が人の健康行動や健康に対する考え方に関連していることがわかり、大変盛り上がりました。

日常的にメディアに関わる仕事をしている方からも、「なんとなく感じていたことも、こうやって数字によって示されて、はっきり話せることで考えが深まる」という声がありました。
データは、こうやってエビデンスになることで、想像以上に力を持ちます。また、「こんな使い方をしているなんて意外」「普段よく言われることと違っている」など、驚きの声も多く聞かれました。
参加者の感想(一部)
  • メディアとの関わり方が個人の生活形態や価値観を予測しうる要因があると実感いたしました。
  • 本日ワークしたことをもう少し掘り下げて、プランニングに活用したい。
研究会の様子1 研究会の様子2

研究会終了後の懇親会は、北欧料理のレストラン。キャビアやサーモン、珍しいザリガニ料理まで、北欧の味を満喫しました。
研究会での議論の延長で、ご自身のメディアの使い方や、広告宣伝はどうあるべきか?などの事例のお話などが交わされていました。

懇親会の様子1

第5回研究会
■日時:12月8日(木)13時~17時30分
■会場:宝寿荘(宝ヘルスケア株式会社)

会場の様子1 会場の様子2
2016年度 第5回の研究会は、潔く散る葉が風流な12月上旬、
京都・東山の宝寿荘にて開催されました。
いつもの会議室とは違い山荘のような会場で、
初参加の方もすっかり打ち解けアットホームな会になりました。

■プログラム:
 開会
 ・健康行動研究会プロジェクトについて
 ・前回のおさらい「メディア」
 ・本日のテーマ、目的

 プログラム①
 健康コミュニティの実態・性質
 ・グループワーク(前半)

 休憩

 プログラム②
 コミュニティの効果
 ・グループワーク(後半)

 休憩

 コミュニティの理解を深めるアイディア

 まとめ~総合ディスカッション

 次回日程と次回テーマの予告
 ・今後のスケジュール、アンケート記入

 18時~
 懇親会

今回の研究会では、「周囲の健康意識」と「健康サポート」がどういう場合に高くなるのか、またそれが本人の健康意識にどう影響しているのか、この二つの側面からの分析を行い、様々な意見を出し合いました。

「コミュニティ」のテーマのもと、これまでの活動以上に、「なぜ彼らはそういう健康意識を持つようになるのか」「何に働きかければいいのか」という背景や施策を検討できる回になりました。
例えば若い女性向け商品であっても、その人の周囲にいる親や配偶者など、周囲の人の働きかけを意識すると、広報や流通の在り方もかなり変わってくるかもしれません。

今回の分析ではこの広い概念である「コミュニティ」をすべて検討できたわけではありませんが、今後につながる重要な議論が豊富に出てきました。
参加者の感想(一部)
  • サポートの重要性を改めて感じるとともに、意識を変えるサポート、行動を促すサポートなど効果の違いによって分類する視点は非常に参考になりました。
  • 周囲の環境(コミュニティ)によって、考えや行動に違いがでること。自社の製品作りにおいて、あまり加味していない点であるため、おもしろいと感じた。
  • 周囲の健康意識と周囲のサポートで現れるちょっとした行動の違いや、最後の説明にあった、意向×周囲のサポート状況で現れる行動の違いがおもしろいなと思いました。実務でも、コミュニティの有無や内容を意識してターゲット理解に努めたいと思います。
研究会の様子1 研究会の様子2


研究会終了後には、京都・東山にある豆腐料理のお店「蓮月茶や」にて懇親会を行いました。
生麩田楽などの定番料理に一同舌鼓を打ち、また見慣れぬ豆腐グラタンは話すのを忘れてしまうほどの美味!素材の活きた湯豆腐で心も体も温まり、とてもほっこりとした懇親会となりました。

懇親会の様子1 懇親会の様子2

第6回研究会
■日時:2017年1月25日(水)13時~17時30分
■会場:追手門学院 大阪梅田サテライト

会場の様子1 会場の様子2
2016年度 第6回の研究会は、大阪・梅田の
「追手門学院 大阪梅田サテライト」にて開催されました。
充実した設備と清潔な環境で、今期の総まとめを行うにぴったりでした。

■プログラム:
 開会
 ・健康行動研究会プロジェクトについて
 ・立教大学大学院/日本学術振興会 嘉瀬 貴祥先生のお話
 ・本日のテーマ、目的

 プログラム①
 第2期研究会の振り返り
 1.健康第一主義
 2.生命力信念
 3.シニア
 4.メディア
 5.コミュニティ

 休憩

 プログラム②
 10年後の世界を予想する
 ・グループワーク

 休憩

 第3期健康行動研究会の企画提案

 まとめ~総合ディスカッション

 次回予告
 ・アンケート記入

 18時~
 懇親会

「個別のテーマから健康をとらえ、具体的にイメージしながら理解する」ことを目標とする 2016 年度の健康行動研究会の総まとめの回です。第1回から第5回までの内容を振り返りながら、わかったことを「活用」という面から整理するとともに、その知見を未来に活かすために、「10年後の世界」を予想するワークを行いました。

「なんでも『健康』と呼んでしまっている現状を見直すべきではないか」「10年後は『健康』のメカニズムがわかって、きちんと尺度化されるのではないか」など、これから健康行動や健康意識にどうアプローチしていくべきか、健康行動研究会の意義も改めて身に染みる議論となりました。

2017年度の健康行動研究会は「現代の「健康」を考え、人々の健康に資する」を掲げ、改めて「健康」とは何なのかを捉え直すとともに、最新の「健康」についての理解を深めることを目標とします。これまでの知見を踏まえて「健康」と向き合うことで何が得られるのか、今後の活動にもご期待ください。
参加者の感想(一部)
  • 研究会を通して、個々人によって認識が異なるということを改めて知ることができました。
  • 普段の業務ではなかなかできない視点の持ち方、切りかえ方を実践できた。
  • そう遠くない10年後を予想しての議論は、非常に刺激になった。自社でも同じようなワークショップを行うことで、新たなビジネスチャンスに気づくかもしれないと思ったので、やってみようかと思う。
研究会の様子1 研究会の様子2


研究会終了後には、大阪が誇る繁華街・北新地にあるバー「Bar Share Ami」を貸し切って懇親会を行いました。お料理も塩で食べる高知直送のカツオのたたきや北新地で今大人気のタマゴカツサンドなど、他ではなかなか食べられないものがたくさんありました。
会の最後には、参加企業の要素を集めて、新商品の企画ができた!?ので、この実現が楽しみです。

懇親会の様子1 懇親会の様子2

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研究会事務局 株式会社 応用社会心理学研究所
担当:田中
TEL:06-6941-2171 メールでのお問い合わせは こちら



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